トランス脂肪酸の過剰摂取でうつ傾向となりやすいという、はっきりした疫学データはないのですが、ありうる話です。
ただし、炭水化物過多状態でうつ傾向が強まるという話は、糖尿病患者さんなどの疫学調査ではっきり認められております。
また、高齢者を中心に「しっかり食べているのに、力が出ない」とおっしゃる方に、食事の内容を詳しく聞いてみると、「ご飯=お米」を毎食しっかり食べているという半面、「ご飯を食べるだけで一杯なので、後はお汁ぐらいしか食べれない」というケースが多く、「お茶碗は持たなくていいから、おかずをしっかり食べましょう。おかずを食べ終わって、まだ隙間があるなら、そのぶんご飯を食べるようにしてみてね。」と指導することで、みるみる体調が改善されてきたりもします。
やっぱり「身体は食べたもので出来ている」のであって、バランスを欠いた食事で体調が歪んでくるのは、当然の話なのです。
身体や心の限界を超えた負担が掛かり続けると、当然そのストレスで滅入ってしまうわけで、ストレスに負けない強い体を手に入れるためにも、バランスのいい食事は大切です。
しかし、現にストレスに打ちひしがれている人に、「頑張って立ち向かえ」と言ってみたところで、既に心が折れているのに頑張れるわけはなく、とにもかくにも一時的に逃避して、心と体の状態の立て直しが必要となります。「やれる事をやれる様にやる事」は問題ないのですが、「やりたい事をやりたい位やる事」には注意が必要です。なぜならば、そうしたケースで「既にやれない事になっているのに、何とかしよう」とあがいている事が、しばしば見受けられるからです。それでは、頑張ろうとすればするほど、さらに心と体にダメージを蓄積させるだけで、改善を見込むことは出来ません。
常に「ねばならない」と壁に向き合うのではなく、一度ほっとした時間を作ってゆっくりおいしいものを食べ、心と体にゆとりを作り、そして「出来る事はあるかな?」と考えてみる。そうやって、自分の心と体と対話を繰り返し「出来る分ずつ前進する」ことが肝心となります。
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