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2013年08月24日

塩の「臆病」と「無謀」の境界線とは?

塩の「臆病」と「無謀」の境界線とは?

「ちょうどいい塩梅」というのも、味を決められるだけの塩が入っているかどうかを量る言葉。
素材の表面についた塩は、タンパク質と結びついて表面を硬化させ、ひっくり返す時に皮がはがれにくくなったり、素材の持ち味が外に流出しないように抑える、バリアのような働きもするし、適度の塩分刺激があることで、味を感じる細胞(味蕾の味細胞)のレスポンスが良くなり、より細かい味をはっきり感じることが出来るようになります。(スイカに塩や生ハムメロンがいい例となりますね。)
なので、この塩加減というやつがプロの技の肝になるわけですが、「美味しい物には気を付けろ!」塩分の慢性的な摂り過ぎが高血圧の元となるのです。
もともと、生物が海で暮らしている間は、体液の塩分と周りの海水の塩分がほぼ同等であるため、塩の出入りに頓着していませんでした。
それが、陸へ進出をはじめ、塩の入っていない真水を口にするようになってくると、今度は塩分が貴重品に変わります。
そのため、もともと血液の老廃物を外に捨てる働きをしていた腎臓に、体内の塩分を保持するという新たな役割が与えられたのです。言い換えれば、腎臓が塩分を排泄しなくて済むように進化したことで、生き物が陸で生活できるようになったともいえます。
なので、腎臓は体に余った水分を捨てるのは得意なのですが、塩分を捨てることはとても苦手なのです。
そして、塩というものは、水分を引き付ける働きがあります。(皿の上に塩を置いてほおっておくと、空気中の水分を吸って勝手に溶けていきますよね?)そのため、大量の塩分と一緒に大量の水分を取ってしまうと、今度は、その塩分が邪魔をして腎臓が余分な水を捨てることが出来なくなり、結果として血管内を巡る血液の量が増え、圧力が上がってしまうのです。(美味しいつまみで吞みすぎしたり、汁まで完食したフィニッシュラーメンの翌朝、むくみを感じやすいのもこれが原因です。)
かつての農耕&採取生活で塩が貴重品であったころには、むしろ塩分不足を補うために少量の塩蔵品を取り入れるということが必要だったりしたのですが、流通が発達し、いくらでも塩を口にできるようになってきた現代では、状況が変わります。美味しさを求めるあまり、普段からの塩分摂取量がうなぎのぼりとなってしまっており、WHOが推奨する一日の塩分摂取量5から6グラムに対して、日本人の平均塩分摂取量は12から15グラムにも上っています。
そこで「減塩が必要ですよ」ということは、すでにさんざん言われつくしたことではあるのですが、「減塩とは、単純に口先でしょっぱいと感じるものを取らなければそれで良い」と言う訳にはいかないんだというところに注意が必要です。
なぜならば、しょっぱさを感じない物の中にも、味を良くするために結構な量の塩が使われている食品というものが身の回りにあふれているからです。だからと言って、「美味しい加工食品は危険だから食べるな!」とは言いません。「食べていいのですが、食べ過ぎしないでね!」ということになります。この過食を戒めるということは、単に減塩のみにとどまらずメタボ予防にもつながり、健康寿命延長に資することになります。
ここで、家庭で出来る簡単な減塩技として、
1)煮物は塩分を出来るだけ入れない「だし汁」で程よく煮て、塩味は小皿に分けてから、かけ醤油orつけ醤油で表面にだけつける。
2)和え物は、和える前に軽く塩もみをして出てきた水を切り(もむ時に使った塩も水と一緒に出てしまいます)、新たな水が湧いて来ない内に和えたてを頂く。
3)漬物も、芯まで塩が沁み込んだ古漬けではなく、野菜の水気が残った浅漬けを選び、漬け汁を切ってから皿に盛り付ける。
4)良く目の敵にされる味噌汁ですが、塩分の排出を促すカリウムを一緒に取り入れる事を目的に、生野菜や海藻を加えた具だくさん味噌汁であればOKです。(だし汁で味噌を溶いただけの鏡汁はお勧めしません。)
と言った事をお勧めしています。
「塩の溶けた汁は出来るだけ取らない」、「塩味は表面にだけつけて芯まで塩が沁み込んだものを避ける」、この二つを意識するだけで、十分な塩味を楽しみながら、実際に摂取する塩の量を数分の一まで減らすことが出来ます。
美味しく楽しい食事をしながら、わが身と家族を守りましょう。

薄味への道は、そのままで食べてもおいしい新鮮な味のある食材を選ぶことと、手間を惜しまずしっかり出汁を取るところから始まります。
うま味さえしっかりしていれば、その他の味は添え物程度で十分なのですから…
中華料理や古典のフランス料理に、素材がどんな味だったか忘れるほどスパイスをふんだんに使い、こってり濃厚な味付けをされたものが多いのは、産地と食卓が遠かったためにそのままで食べられる新鮮な食材をそろえるのが難しかったからであり、イタリアや日本の様に産地のすぐそばで食べられた土地柄では、さっと炒めるだけとか、オイルをかけまわし軽く香辛料を添えるだけといった、素材の味を生かす料理が発達したのです。
そして、味付けも塩味だけに頼らず、辛味、酸味、苦み、を程よく取り入れ、パンチが欲しい時には、香りを加えると、さらに料理が引き立ちます。
なんかぼんやりした味付けだなと思った時、塩や醤油を手にする前に、しょうがをすりおろして添えたり、キッチンで水活けにしておいた大葉を千切りにして添えたり、育ちざかりがいるのならごま油を回しかけたりすると、きりっと味が締まりますよ。
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posted by shirokuma at 17:10| Comment(0) | FB覚書
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