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2013年12月14日

「膵臓」と「がん検診」

「膵臓」について

ガン予防 - Reduce The Probability Of Cancer

理論派の救急医Hisaya Oyama 先生のレポートです。

今回は、なかなか意識しない割に、いざ病気が起こると重大な結果を招きやすい「すい臓の病気」に関するレポートです。

特に、すい臓ガンは、「発見された時にはほぼ手遅れ」と言われるほどに、検診にもっとも向かないガンで、たまたま受けたガン検診で適切な時期に見つかるというのは、宝くじで大当たりするのと同じようなものです。

ガンは、ガン細胞が出来た瞬間に発生するものではなく、毎日5千個ほど自然発生しているガンの元になる細胞の中の一個が、免疫細胞の攻撃を潜り抜けこっそり分裂を繰り返し、10年から20年かけてかろうじて肉眼で確認できる直径1Cm超のコロニー(約10億個=2の30乗)を形成します。
これが「早期ガン」で、この時点で対処できれば、根治が可能ですし、命にもかかわりません。
実質的に、ガンが周囲の組織から栄養と酸素をくすねて成長できるのはここが限界で、ここから更に増殖を続けていくためには、独自の腫瘍血管を獲得しなければなりません。時として、ガンがこのまま休眠したような状態となることもあり、一部の方々は、この「早期ガン」を「ガンもどき」と呼ぶこともあるのですが、めでたく(不幸にも)腫瘍血管の獲得に成功すると、その時点で「進行ガン」に変貌し、無制限に増殖が出来、転移も起こす致死的なガンとなります。

ガン検診の目的は、この発見できる大きさとなった「早期ガン」が、手におえない「進行ガン」に変貌する前に捕まえようとするもので、具体的には、一定期間ごとに池に投網を投げて、池の魚の育ち具合を確かめるようなもので、網の目にかかる大きさ以上に育っていて、なおかつ、育ち過ぎて美味しくなくなる前に捕まえられる確率は、魚の育つスピード(ガンの進行スピード)次第という事になり、早期ガンから進行ガンへの移行が2-3か月以内と非常に進行スピードの速いすい臓ガンを本気で捕まえようとするなら、毎月、超音波とCTを交互にやらなければならないという、非現実的な検査となってしまうのです。

検診を含めて、理解していていただきたいガンの基礎知識が簡潔にまとめられたページも上げておきます。
posted by shirokuma at 19:52| Comment(0) | FB覚書
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