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2013年09月08日

肥満解消の切り札「褐色脂肪細胞」

我々の体にある脂肪、実はすべての脂肪が悪いわけではありません。

理論派の救急医Hisaya Oyama 先生のレポートです。

今回は、肥満解消の切り札「褐色脂肪細胞」についてのレポートです。

まずは、Oyama先生のおっしゃる通り、体にあるすべての脂肪が悪いわけではありません。「必要以上に備蓄された脂肪」が悪いのです。
長い生物の歴史の中で、安定した栄養補給が出来なくても体内環境を維持できるようにするための一つの方策として、「過剰に摂取できた栄養を脂肪に作り替えて備蓄する」という機構が作り上げられて来ました。そして、「ふくよか」であるという事は、つい最近まで「食べる物に苦労していない」と言う証であり、むしろ羨望の対象でもありました。
それが戦後の日本の社会情勢が豊かになるにつれて、あふれるようにものを食べられるようになったため、肥満が一般化してしまったという事をまず理解しておきましょう。
脂肪によるカロリー備蓄の話に戻りますが、ソーラーカーをイメージしてください。
現在地球上で繁栄している生き物のほとんどは、ブドウ糖を処理して活動のためのエネルギーに充てています。ちょうど光さえあればソーラーカーが動くのと同じです。
逆に、光が途切れると、ソーラーカーは止まってしまいます。そこで、一時的に光がなくても動き続けるためにどうしたらいいか?と考えた時、十分な光がある時に余った電力を電池に蓄えればいいというアイディアが産まれます。その電池にあたるものが「備蓄された脂肪」となるわけです。
なので、まったく脂肪の備蓄がないという事は、「食事の切れ目」が即「命の切れ目」となりうるという事であり、とても危険なことなのです。そこで肝心なのが、どの程度の電池を積むのが適切なのか?という話であり、いっぱい積めば積むほど、長くエネルギーの供給が出来る半面、ソーラーカー自体の重量がかさみ、性能が落ちるばかりか、シャーシにも負担がかかりすぎて早く壊れるという事になり、それが、メタボ=成人病だよという事になるのです。
逆に、アスリート体型の方の場合、体脂肪率一桁という方もいらっしゃいますが、上に述べた理由で、きっちりした栄養管理がなされた上でなければ、逆に突然死などの危険が生じるという事と、脂肪は、単に備蓄エネルギーという意味合いのみではなく、細胞や組織の弾力性の維持とか、脂肪の一種であるコレステロールがホルモンの原料となっているなど複合的な役割を担っているため、極端に体脂肪率を低下させることで、体調や気分の不安定さを招きやすくなったり、肉離れや疲労骨折(マラソンの高橋直子選手が有名ですよね。現役時代の体脂肪率、なんと6%!)などのけがの原因となったりもします。
では、適切な体脂肪比率というのは、男性の場合15%以上25%未満、女性の場合20%以上30%未満と言われており、男女とも、20%前後を目指して努力していただければ良いという事になります。
肝心なのは、やっぱりバランス。使いきれる量を食べ、余らせないように努力すること。
どうしても食べ過ぎ圧力が強い世の中だから、Oyama先生のおっしゃる通り、代謝活性を上げて、少々燃費の悪い体を手に入れるのが、健康に過ごす秘訣と考えます。

このレポートで話題となった褐色脂肪細胞の在り処ですけど、風邪の引き始め等に背中がゾクゾクしませんか?
そのゾクゾク感じる、背中の肩甲骨と肩甲骨の間に褐色脂肪細胞の多くが配置されています。病原体の侵入を察知した白血球からインターロイキンというメッセージ物質が放出され、体に感染防御体制をとることを指示します。その一環として、病原体の活動を抑え込みながら免疫力をアップさせるため(以前Oyama先生の講義にありましたよね?)、体温を急上昇させる仕組みの一つとして褐色脂肪細胞の活動が高まり、その時に、そこに接続されている自律神経も一緒に活性化されるため、ゾクゾクとした違和感が発生するのです。
なので、手を冷水に入れたり、冷たいシャワーや水風呂を活用して、褐色脂肪細胞の活性化を図る時には、その背中のゾクゾク感を一つの目安としていただければいいという話になります。
ただし、それは運動後や入浴中、サウナなどのしっかり体が温まった状態でやる事が肝心です。なぜならば、体が温まっていない時に褐色脂肪細胞を刺激してしまうと、それに接続されている自律神経の働きで、本当に感染が起こったと体が勘違いを起こし、アレルギー反応を起こしてしまう事があるからです。
背中にクーラーの風を当ててヒヤッとした後、急に鼻が詰って、鼻水が垂れてきたなんて体験はありませんか?それを逆手にとって、本当に風邪をひいて鼻水が止まらずに困った時などには、背中の肩甲骨と肩甲骨の間にホッカイロを張ったりして温めると、鼻がスースー通りやすくなったりもします。

もう一つ、アフターバーンの効果をより以上に上げる方法として、有酸素運動の途中に強度のある無酸素運動を挟み込む「インターバルトレーニング」が有効とされています。
いつものウオーキングの途中で、1-2分で駆け上がれる神社等の石段をダッシュで駆け上がる。
5から10分ごとに1分程度息が切れるぐらいの腿上げ足踏みを挟み込む。
といった、一瞬だけ強い強度の運動を挟み込むことで、運動している間中、体がその強い強度の運動に備えエネルギー動員状態を維持する(これがアフターバーン効果です)ため、ペースを変えずに運動した時に比べ、同じ時間当たりの消費エネルギーが格段に増えるのだそうです。
ただし、消費エネルギーが増える分、疲労物質の蓄積も進むため、疲労度も数倍となりますから、体力に合わせて無理にならない程度を守ることと、しっかりした疲労回復もお忘れなく。
ちなみに、ここで運動後の爽快感に包まれて消費した以上のカロリーを入れてしまえば、元の木阿弥(筋力がアップする分、運動しないで食べるよりは何倍も良いのですが…)となりますから、食事と運動は車の両輪であることも再確認をお願いします。
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2013年08月24日

アルコール依存症

アルコール依存症

理論派の救急医Hisaya Oyama 先生のレポートです。

今回は、「アルコール依存症」についてのレポートです。

このレポートを読まれて、もし、依存を心配される方がいらっしゃいましたら、毎月月初めに、暦に休肝日マークをつけましょう。
色々言い訳せず、付けたマーク通りに休肝日を取れるなら、問題はありません。
ただ、仕事なり、プライベートなり、さまざまな理由をつけて、振替することもなく休肝日と決めたはずの日にもダラダラ飲んでしまうようなら要注意!Oyama先生が示された、依存症の段階2-3の境界にいるということになります。
ちなみに、これは飲む量とは関係ありません。
アルコールを飲まないと決めた日に、アルコールを入れないで済ませられるか?という問題であり、いつもの半分の量にしたから、我慢できたという話ではありませんので、お間違えにならないように。

通常、休肝日の話をするときは、週に二日程度と推奨されていますが、出来れば三日飲酒、一日お休みのバラバラでとるのではなく、五日飲酒、二日お休みのパターンで取っていただくことをお勧めしています。

肝臓でのアルコール代謝は、個人差がありますが一時間につき1CCから数CCに過ぎず、一合のお酒に含まれる25CCのアルコールですら、人によってはほぼ一日かかって処理されることになり、三合以上の飲酒であれば、翌日まで処理が持ち越しになることもしばしばという話になります。
なので、常習的に飲酒をされている方には、ぜひ休肝日を取っていただきたいという話になるのですが、一日だけの休肝日では、その持ち越し分の処理が終わってほっと一息つく暇なく次のアルコールが入ってきてしまうため、肝臓の機能回復が十分行われず、じわじわダメージが蓄積されてしまうケースをまま見かけます。
ですから、休肝日の一日目はたまった後処理の日、二日目は機能回復の日として、二日連続での休肝日を取っていただくのが理想となります。
イメージとしては、集中豪雨のあとのがれきをやっと片づけたと思ったとたんにまた雨が降るという感じで、その次の雨が降る前に水路を広げるとか、土嚢を積み増すとかの作業をする時間が欲しいのですよ、という感じとなります。

あと、一般論として、日本人の場合、一生のうちにアルコールでおよそ一トン飲むと肝硬変になれるという話があります。
アルコールで一トンというと、膨大な量に感じるでしょうが、日本酒換算でおよそ4000升ほどになります。
これを法律を守ったとして、二十歳から六十歳までの四十年かけて飲むとすると、一年あたりでおよそ100升。
なんか身近な量になってきていませんか?
さらに一日当たりにすると、およそ二合五勺程になります。
なんか、よく飲んじゃう量になってませんか?
ということは、一日三合ペースで毎日お酒を飲むと、定年前に肝臓障害でお医者さんのお世話になっちゃいますよ!ということなんです。しかも、それを越して飲むアルコールは、この世で飲む分を越してあの世の分を前借することになりますから、飲めば飲むほどあの世に近づいてしまいますよ!という話にもなります。

日本酒一合=約25CCのアルコールというのは、
ビールなら、中ビン(500ml)一本
焼酎なら、1/2のお湯割りか水割りで一杯
ワインなら、グラス二杯
ウイスキーなら、ダブルの水割りで一杯
でほぼ同等となります。

さあ、あなたは、この世で安心して飲める分が、あとどれぐらい残っていますか?
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「食の正論」で家庭は崩壊〜超現実的食育のススメ

「食の正論」で家庭は崩壊〜超現実的食育のススメ

どういった分野においても、現実に即さない「正論」を振りかざし、破綻を招いているケースを見かけます。

文中にもある、核家族化の進行に伴う、食と調理の知識と技術の伝承の途絶、少人数になればなるほど非効率となる、食材の整え方と調理にかけられる手間と時間。
こうした方がよりいいのは分かって居るけれども、それを無理に実行することで生活自体が成り立たなくなるジレンマ。
根本的な解決に導く一つの方策としては、社会制度として大家族回帰への潮流を作ることなのですが、それが明日・明後日に出来るわけではなく、現実どうして行ったらいいか?という話になります。

いつも言っていることですが、「ねばならない」でくくらないでください。
出来る事を出来る分ずつでいいのです。たまの手抜きも、もちろん結構。肝心なのは、持続できる努力を続けることなのです。
今の日本の食事事情で、加工食品を完全に排除することも、有害な添加物が一切含まれない食材をそろえ続けることも、毎食毎食、過不足のない完全な栄養バランスの食事を提供し続けることも、はっきり言って不可能なのですから…
不可能を可能とするために頑張った結果、食事を提供する人自身が倒れたのでは、元も子もなくなってしまいます。
こうしたほうが良いね、という方向性をしっかり見つめながら、少しずつ実現に向けた努力があればいいのです。

文末にあるように、出来合いを組み合わせたものでもいい、ほんの少しでいいので手をかけて、一緒に笑いながら食事をととる。
食事という行為が、ただ単に栄養補給というのみではなく、色々な意味で大事なものだと感じられるようにしていく、その意識を持つだけでも大きな意義があるものだと思います。

生き物はバランスで成り立っています。
精製された食べ物は、効率よく栄養を吸収できてしまう分、簡単に特定の栄養の過剰状態を作り出してしまいます。だから「安易な使用は危険だよ」、ということ自体はその通りなのですが、それを理解したうえで適正に使えているならば問題ないのです。
(その「適正に」を守るのが難しいという話もまたあるのですが…)
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posted by shirokuma at 17:33| Comment(0) | FB覚書