理論派の救急医Hisaya Oyama 先生のレポートです。
今回は、「アルコール依存症」についてのレポートです。
このレポートを読まれて、もし、依存を心配される方がいらっしゃいましたら、毎月月初めに、暦に休肝日マークをつけましょう。
色々言い訳せず、付けたマーク通りに休肝日を取れるなら、問題はありません。
ただ、仕事なり、プライベートなり、さまざまな理由をつけて、振替することもなく休肝日と決めたはずの日にもダラダラ飲んでしまうようなら要注意!Oyama先生が示された、依存症の段階2-3の境界にいるということになります。
ちなみに、これは飲む量とは関係ありません。
アルコールを飲まないと決めた日に、アルコールを入れないで済ませられるか?という問題であり、いつもの半分の量にしたから、我慢できたという話ではありませんので、お間違えにならないように。
通常、休肝日の話をするときは、週に二日程度と推奨されていますが、出来れば三日飲酒、一日お休みのバラバラでとるのではなく、五日飲酒、二日お休みのパターンで取っていただくことをお勧めしています。
肝臓でのアルコール代謝は、個人差がありますが一時間につき1CCから数CCに過ぎず、一合のお酒に含まれる25CCのアルコールですら、人によってはほぼ一日かかって処理されることになり、三合以上の飲酒であれば、翌日まで処理が持ち越しになることもしばしばという話になります。
なので、常習的に飲酒をされている方には、ぜひ休肝日を取っていただきたいという話になるのですが、一日だけの休肝日では、その持ち越し分の処理が終わってほっと一息つく暇なく次のアルコールが入ってきてしまうため、肝臓の機能回復が十分行われず、じわじわダメージが蓄積されてしまうケースをまま見かけます。
ですから、休肝日の一日目はたまった後処理の日、二日目は機能回復の日として、二日連続での休肝日を取っていただくのが理想となります。
イメージとしては、集中豪雨のあとのがれきをやっと片づけたと思ったとたんにまた雨が降るという感じで、その次の雨が降る前に水路を広げるとか、土嚢を積み増すとかの作業をする時間が欲しいのですよ、という感じとなります。
あと、一般論として、日本人の場合、一生のうちにアルコールでおよそ一トン飲むと肝硬変になれるという話があります。
アルコールで一トンというと、膨大な量に感じるでしょうが、日本酒換算でおよそ4000升ほどになります。
これを法律を守ったとして、二十歳から六十歳までの四十年かけて飲むとすると、一年あたりでおよそ100升。
なんか身近な量になってきていませんか?
さらに一日当たりにすると、およそ二合五勺程になります。
なんか、よく飲んじゃう量になってませんか?
ということは、一日三合ペースで毎日お酒を飲むと、定年前に肝臓障害でお医者さんのお世話になっちゃいますよ!ということなんです。しかも、それを越して飲むアルコールは、この世で飲む分を越してあの世の分を前借することになりますから、飲めば飲むほどあの世に近づいてしまいますよ!という話にもなります。
日本酒一合=約25CCのアルコールというのは、
ビールなら、中ビン(500ml)一本
焼酎なら、1/2のお湯割りか水割りで一杯
ワインなら、グラス二杯
ウイスキーなら、ダブルの水割りで一杯
でほぼ同等となります。
さあ、あなたは、この世で安心して飲める分が、あとどれぐらい残っていますか?
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